1429 日本人が誤解している東南アジア近現代史 川島博之
図書館より。扶桑社新書。
多くの日本人は東南アジアを、文化が低くて、経済的に貧しく、サマーリゾートのある地域くらいにしか思っていない。
また国の個性もある。シンガポールは桁違いに発展している。ベトナムは中国と戦ってきた歴史がある。マレーシアは親日でマハティールがルック・イースト政策を進めた。インドネシアは日本がオランダを追い出したので日本に好意的で、デヴィ夫人は日本でタレントになっている。フィリピンはバターン死の行進を忘れていない。タイは微笑みの裏で外交が上手い。ミャンマーは民族問題に苦しみ、イスラム教徒のロヒンギャの問題も抱えている。
#北欧では隣の家が数キロ先ということもあるそうだ。欧米が契約社会になったのは、人間関係が希薄な社会でどうやったら多くの人が約束を守るかを考えた結果だろう。
*そのような状況の中で(スリーマイル、チェルノブイリ、福島)、事態を冷静に分析していた人は、原発は割に合わないと考えるようになっていた。そのために福島の事故が起きる前の2006年に、アメリカのウェスチングハウスは原子力事業を6400億円で東芝に売却した。
そして東芝は株主に対して迷走している。
都市化が進むと人口が減るのはなぜか、が大きな論点なのに、その理由がぼんやりしている(ように見える)のが惜しい。
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