1439 手塚治虫からの伝言 愛とは何か? 手塚治虫
図書館より。童心社。監修・中野晴行。
「虹のプレリュード」「ACT.43(ミッドナイト)」「グランドメサの決闘」「ダーティー・ジャック」「おふくろの河」の五編を収める。
ミッドナイトはセキレイがトランクに巣を作った話。
「グランドメサの決闘」は『プレイコミック』掲載で大人の香り。どんでん返しがO・ヘンリーっぽい。
「ダーティー・ジャック」は、甘えん坊の男の子が、非常事態なのにもかかわらず「なにかたべたいよ!! 先生! チョコレートくれよォ くれなきゃパパにいいつけてやるぞ」と自分勝手。この人間描写がすごい。
「おふくろの河」は女剣劇の旅芸人を描いた異色作。植物状態になった母親がテレビ放映を聞いて「くたばりやがれ!!」と起き上がる名シーン。
#手塚にとっての母・文子(ふみこ)は自慢の母親でした。ピアノがとくいで、お話が上手。子どものころの手塚は、毎晩のようにお母さんがつくってくれるお話をきいてからねむっていました。
手塚は「おかあさんのむかしむかし」のタイトルで、母から聞いたお話を元にした絵本を描いた。またお母さんは虫プロのアニメーターの母親代わりとなり、いっしょにギターを弾いて歌を歌った。手塚治虫記念館のページに家族の写真がある。
「虹のプレリュード」は『少女フレンド』掲載で、ヒロインと革命家とあの歴史的ピアニストとの三角関係を描く。ルーペク先生の顔はフランツ・リストがモデルだろう。ポーランドに攻め入るのはロシア。歴史は繰り返している。
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