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1479 両さんと歩く下町 秋本治

 図書館より。集英社新書。副題、『こち亀』の扉絵で綴る東京情景。

 『こちら葛飾区亀有公園前派出所』は連載が長く扉絵のモチーフに困った。そこで東京の風景を描いてみたら面白くなり変わりゆく東京の風景を残したくなった。文章は右ページだけで、左ページはひたすら扉絵が続く。両さんと中川、両さんと麗子が警らの途中で寄り道しているだけなのにお話が想像できる。改めて見ると著者は絵がうまい。平行線が多い橋や線路の構造を丁寧に描く一方で、自転車のスポークはあっさり省略する判断のよさ。
 著者は徹底的に下調べをするタイプの作家なので、裏話がおもしろい。

#『こち亀』を描いているうちに舞台にしたい下町がいくつも出てきました。だからといっていきなり舞台にするのは不自然ですから、両さんとつながりをもたせるために親戚や友人を、その下町に住まわせてしまおうと思ったわけです。
 例えば本田の実家は千住にあるという設定。

#店の名前も絶対に実在しないはずの「超神田寿司」に決めました。ちょっと浮いた感じのネーミングになりましたが、神田がお寿司屋さんの多い土地だけに念を入れたわけです。
 そぐわない名前、と思っていたがそういうことであったか。

#僕も『こち亀』を一度、大きくスラップスティックに変えてみたことがあるんですよ。そうしたら「今までの『こち亀』を全部ぶち壊しましたね』みたいなハガキがたくさん来て。

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