1487 まんがでわかるまんがの歴史 作:大塚英志 まんが:ひらりん
図書館より。KADOKAWA。
美術系大学で行なった「まんが表現史」の講義をもとに、コミカライズされ『ヤングエース』で連載された。
大学の講義にふさわしく、難易度は高く、資料の調査も微細に渡る。たしかに日本のまんがは鳥獣戯画に始まった。しかし戦前にディズニーの記号化されイモータル(落ちたり潰されたりしても死なない)なコミックが輸入され、大正時代から娯楽の王様であった映画の手法が導入され、手塚治虫が再構築し、命と成長を吹き込んだのが日本の漫画であるとする(大ざっぱな理解)。
のらくろを読んだ世代にはぜひ読まれたい。
また漫画を語る漫画を描くに当たって、これは腕利きの漫画家に頼まねばと思ったのであろう。ひらりん氏はデッサンも似顔絵も上手だ。
#日本のキャラクターは①記号の組み合わせで描かれている「記号性」 ②しかし死んだり成長したりする「身体性」 ③心を持っている「内面性」 という三つをあわせて持つことが特徴です
#①はディズニーから借用して発展させたもの そして②と③は「戦争の経験」がまんがにもたらしたものです
#これは村山知義で1920年代にヨーロッパで始まったアヴァンギャルド芸術運動の日本版である大正アヴァンギャルドの中心人物で
#それはともかくこの髪型と妙なポーズ 誰かに似ていませんか
#そうです 一説には村山は「赤塚不二夫のイヤミのモデル」とも言われています
この本で最も印象的な指摘はこれだ。
#手塚が描く「ストーリー」の特徴の一つは歴史に翻弄される個人だって話をしましたよね それが図5のようなクライマックスでの群衆シーンに象徴的に表現されているということでした
あるな。群衆シーン。そういうことか。
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