1494 メロンの丸かじり 東海林さだお
文春文庫77。
表紙はメロンと舌なめずりをしている女性。でもこの女性はメロンでなく豆腐の話の挿絵。
この巻は挿絵がいい。『穴子かわいや』で土管に穴子がぎっしり詰まっているのがいい。
シュラスコを食べて。
#「わたしの体はワインでできている」といったのは女優の川島なお美。
#ぼくはこう言いたい。
#「わたしの体は肉でできている」
#あたりまえか。
#卵二個に「なめ茸」を大サジ3杯入れて掻き回して火にかけたのを丼めしにのせる「なめ茸丼」、味付要らずでおいしいですよ。
レシピもそうだが、この日本語よ。このテンを打つところ、それまで打たないところ、なかなか真似できない。
#紅白のかまぼこ二枚が皿に盛られて出てくると、紅からいくか、白からいくか、ちょっと迷いませんか。
#卵はいま一個十三円くらい。
文庫1刷が2011年。
そして解説の太田和彦がホームラン。著者が菊池寛賞を受賞したときの紹介文を手放しでほめる。
#〈旗手〉〈哀歓〉〈共感〉〈独特の軽妙な文体〉〈読者を魅了〉〈新しい領域〉と、要に用いる語句がまことに適切。
#〈……本来冷たくして食べるものである冷やし中華を熱くして食べてどこが悪い! 論理的に一点の乖離もないこの論法に反論できる人はいるだろうか〉。いない。検事のような鋭い語句〈乖離〉の威圧感がそうさせる。
この語句に対するセンスよ。
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