月曜日。ポーシャが受けたい三つの大学の、出願期間、試験日、合格発表、手続期間を調べる。やはり三つすべてしなければいけない。落ちたら追加、なんて「継ぎ足し」はできない日程になっている。第一希望と第二の出願は始まっているので"出願する?"と聞いたが「あとで」。出願はネットでマイページを作って行なう。ポイントがつくかな(つきません)。
火曜日。テレビは"十年で最強の寒波"なんて言っている。会社では蛍光灯が何度も消えたり、ストーブを再起動したりすることがあった。19時ころ着。「停電はなかった。暖房はスチームだから大丈夫。授業は世界史に出て、英語がリスニングだからお願いして出席した。二次試験に関係ない授業には出ないシステム。学割は家にある(忘れたのでJRでタフス大学に行く切符は買わない)。明日はJRが動かないから出席停止になる。休もう」
私の高校の同じ期間の話をした。午前で勉強を終わり、友達と喫茶店に行ってピザを食べた。タバスコをいうものを初めて見た。"これ辛い""もっとかけろ"と盛り上がった。勉強を一生懸命したはずだが、覚えていない。という話をしたらポーシャは笑った。少しでもリラックスしてくれたらいいな。
水曜日。"十年に一度の最強寒波”のため、前日に学校からメールが来た。"電車がないなど交通手段がないときは、無理して登校しないでください" 暗に欠席(出停)を勧めている。ポーシャは家にいる。私も早く帰ることができたので一緒に駅へ。まず乗車券。学割を使う方法がわからない。オペレータさんに電話。やはり学割はオペレータさんと話をするほかない(書いておけばいいのに)。えきねっとで予約しておいた新幹線こまちの切符を受け取る。これは"ネット予約の受け取り"と書いてある緑色のボタンがある。QRコードで格好よく発券したい。スマホのメールでQRコードを表示できない。自宅PCではできたのに。結局数字を打つ。
帰宅。その勢いでタフス大学に出願する。個人情報。証明写真。学部学科。共通テストコード(番号)。"自主性の評価" 「えーっ」と声を上げる。"合格判定ラインの受験生を選抜するときの材料となります" 「待って待って」 "学生時代力を入れたこと"や"大学で意欲を持っていること"のチェックボックスが並び、200文字以内の文章記述がある。「合格判定ラインの受験生って…」 狼狽するポーシャ。こんな彼女は見たことがない。「明日! 明日にする」 先生に相談することにする。
第二希望のS大学は、センターで受けた教科科目の確認に時間を使っただけで、そんな難しいこともなく、出願完了。18,900円。
木曜日。中学校の給食の話。放送で食べ物クイズが出た。いただきますのときにクイズが出題される学校には「早く食べたいじゃん!」。三年間ワゴンを使えなかった。給食室に遠いCDE組はワゴンで食べ物を運ぶが、近いAB組は手で運んだ。ワゴンを押してみたかった。
授業は六校時の英語リスニングだけ。図書館での自習時間でタフス大学の主体性の作文を書いた。昨日の出願を続ける。クレジットカードで20,650円を支払う。英語の外部試験の分、S大学よりちょっと高い。入学志願票に証明写真があるので「私の顔がいっぱい」と笑う。
金曜日。20:07電車で帰る。テストだった。判定も順位も出ないテスト。何のため? 「緊張感を醸し出すため」 二次試験は科目が別々になるが、どうなるの。「私は一橋大学のグループに入れられた」 おお。国立文系ナンバー3の学校だ。「一橋の英語は簡単だった」 タフス大学の過去問で勉強しているから。「英語は東大や東北大のほうが難しい」「明日は世界史を二時間受けるために学校に行く」「出願状況サイトがあるのだけれど、もう定員に達していた」「ロシア語は二人だった」 ロシア語科に入って転科すれば。「できないよ」
土曜日。午前に世界史の試験を受けて12:57の電車で帰る。願書を今日出す? 「うん」 着替えないでお昼を食べる。
「Youは何しに日本へ」を見る。オーストラリアの女の子が(自国では作物を食べる害獣の)兎をずっと抱っこして離れられない。「かわいい」
スージーが“兎はかわいいと思っていたけれど、友達が飼っているので兎小屋に入ったら、臭くて兎は駄目だと思った”。
動きがないので3時ころ封筒を持って行って促す。郵便局は5時までだ。封筒に宛名票を貼る。「曲がったあ」と声を上げる。「行」を御中に直すとき、斜線なのか二重線なのかスージーが考える。さらにスージーは裏に自分の住所名前を書くのが常識だと教える。
「じゅけん票をいれます」
「ちょうさ書をいれます」
「念をおくります」
三人:「合格ぅ~合格ぅ~」「受かれぇ~受かれぇ~」
ファミリーコントである。二校あるので念の儀式は二度行なわれた。
「調査書、見たいな」 厳封されている。
「調査書って合否には影響しないんだよ。合格してから開けられるんだって」 高校の先生、不憫です。実力一本勝負。
4時42分郵便局到着。“締切まで余裕がありますか”と郵便局員の女性。今日の閉店にはぎりぎりだった。「簡易書留の速達でお願いします」 よく言えました。700円かける二通。
書留だから送った記録が残る。ほら、と見せると大学名をスキャンした画像を見て「ふうん」と感心している。「これ、もらっていい?」
「ママが大判焼きが食べたいって」 郵便局の近くに昔ながらの店がある。「あんこだけかな」 あんこだけだった。「四つください」 一個180円。“大判焼きのはじっこ”という紙袋がある。“おいしいよ”と店のおばあちゃん。一つもらう。
「あ、ハムフライだ」 精肉店の前を通る。せっかくなので購入。三個で360円。昔ながらの店なのにクレジットカードが使えるのが意外だ(現金で支払ってしまった)。
そのままマックスバリュで惣菜や半額になったマグロ、合格応援お菓子を買う。受験突破サッポロポテト、めで鯛ベビースターラーメン、カナエルコーン(招き猫風キャラメルコーン)。大館アメッコ市のミックスの袋がある。小さい袋に色とりどりの飴が入っていて、「かわいい」。
いつまでも「かわいい」が周りにありますように。
ほっとしたのか久しぶりにピアノに向かう。「悲愴」第二楽章を弾いていたが「飽きた」とカーペンターズの「Close to You」を弾く。そして「未来予想図Ⅱ」。中学校の合唱コンクールの楽譜がまだあった。色画用紙に楽譜を糊で貼った。卒業の歌も。「コスモス」「流浪の民」「地球星歌」。
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