1518 バカと無知 橘玲
図書館より。新潮新書。副題、人間、この不都合な生きもの。
心理学の目から差別や陰謀論など社会のあり様を語る。細かい章に分かれているのは週刊新潮の連載だから。
ヒトは高度に社会性を高めた生き物なので、集団から外れて生きてはいけない。だから協調する。だが自分の遺伝子を残さないといけないので、競争する。あるときは協調し、あるときは競争する。この矛盾を解決するために、ヒトは陰謀を駆使するというのだ。
書名はダニング=クルーガー効果より。
*能力の低い者は、自分の能力が低いことを正しく認識できない
*近年の脳科学では、「下方比較」では報酬を感じる脳の部位が、「上方比較」では損失を感じる脳の部位が活性化することがわかった。
だから自分より劣った人を叩くのは気持ちがいい。メディアが芸能人の不道徳をしつこく報じるのはこれだ。
*集合知を実現するには、一定以上の能力を持つ者だけで話し合うこと。それが無理な場合は話し合いをあきらめて、優秀な個人の判断に従ったほうがよい選択ができる。これはある種の貴族政だ。
#自尊心は原因でなく結果
IAT、潜在連合テストが面白い。「赤」と「夕日」は同じカテゴリーなのですぐに反応できる。「赤」と「海」は時間がかかる。では「黒人」と「銃」ではどうか。このようにして人の無意識を計測することができる。
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