1509 カラス学のすすめ 杉田昭栄
図書館より。緑書房。
解剖学が専門だがいつの間にかカラス博士と呼ばれるようになった研究者の、のんびり読み物。
カラスの体や能力、実験手順など日本のカラスについてまとめてある。帯の紹介が面白い。
#日本屈指のカラス博士がカラスを切って、観て、実験して、徹底的に追求したカラス研究の集大成。
「切って」がまっさきに来るところがいい。
#カラスの頸椎は十三個
#カラスよりも頸の長いタンチョウ(鶴)などは、二十五個の頸椎をもっています。
*カラスは油っぽいものを好みます。たとえばフライ、豆、魚肉などを用意すると、まずフライを啄みます。
*宇都宮大学の飯郷雅之教授らが、カラスの色を感受する視物質は四種類存在することを明らかにしています。
人間はRGBの三種類。
#紫外線吸収のため、ある顔料をゴミ袋の素材であるビニールに充填したのですが、その顔料が黄色を示すため、黄色であればなんでもカラスが寄ってこないと勘違いされたり、黄色のニセゴミ袋が出回ったりで、正直たいへんな思いもしました。
黄色いごみ袋をクルマに積もうとしてちょっと忘れ物を取りに戻ったら、カラスにごみ袋を突かれて中身が散らかったことがある。泣きたくなった。
*苦味と酸味で味付けされた餌では九割ほど摂取量が減りました。次いで、辛味で五割減、塩味ではカラスごとの変動が大きく、摂食量が減るとは言い切れませんでした。甘みについては味付けをしなかったものと差がなく、甘み自体をあまり感じていないのではないかと考えられました。
#本当に美味しいカラス料理の本
教え子はこんな本を出した。「ローストクロウ」というパワーワードがある。
#そもそも生物学的には共生とは「二種類の生物が密接な関係をもち、その双方が利益を受けるか、一方が利益を受け、他方が害を受けない」と定義されています。
この本を借りるのは二回目。一度目は冒頭の歴史・伝承のページがぼんやりして進まなかった。
「カラス博士と学生たち」が読みたくなっちゃったよ。
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