« 体重80.1kg 22.0%・ウヰスキー580 | トップページ | 1521 トルコから世界を見る 内藤正典 »

1520 脳がほぐれる言語学 金川欣二

 ちくま新書。副題、発想の極意。

 かつて「言語学のお散歩」というホームページがあった。富山商船高専の先生が豊かな教養を背景に笑いを取りに行く贅沢なページだった。かなりの長文だったがぐいぐい読ませる力があった。しかも上にわざと「ホームページ」と書いたが、いかにもIBMビルダーあたりで作ったhtmlファイルに好感が持てたものだ。IBMビルダーかどうかは今となってはわかりません。

 身近な例から初めて、言語学、記号論、人類学、民俗学、映画、ジョークを取り混ぜる手腕は華麗なダンスを見ているかのようだ。

#ルネサンスを作ったメディチ家はMediciの綴りからも分かるようにもともと薬業(medicine「メディチーネ」)で儲け、銀行業などに発展した一家で、一三四八年のペスト流行の頃から頭角を現し始めたという。

#人は思ったほど、自由に、主体的に物事を見ることはできない。文化や言語のフィルターを通してしか見ることができず、「客観的な」世界などない。

#「あなたのことをもっと知りたい」は愛の言葉で、「あなたのことがわかってしまったわ」は別れの言葉だ。

作家の落合恵子氏がDJ時代に「レモンちゃん」と呼ばれたように日本ではさわやかさ、清純さの象徴のレモンだが、英語ではすっぱさを重視して「口をすぼませて顔をしかめさせるもの」から欠陥車など悪い意味に使う。

#「セントルイスブルース」だって、初代・林家木久蔵(木久扇)のおかげで「いやん、ばかん」にしか聞こえなくなる。

*イグノーベル賞は、反語的な意味合いの接頭辞を加えたもじりであると共に、「卑劣な、あさましい」を意味する"ignoble"と掛けている。

|

« 体重80.1kg 22.0%・ウヰスキー580 | トップページ | 1521 トルコから世界を見る 内藤正典 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 体重80.1kg 22.0%・ウヰスキー580 | トップページ | 1521 トルコから世界を見る 内藤正典 »