1532 アンパンの丸かじり 東海林さだお
文春文庫85番。表紙は穴の空いたパンらしきもの、とパーマ、眼鏡、たらこ唇の女性。解説は重松清。
#チョコレートの不思議、もう一つ、これほど高貴で高位の菓子でありながら、
#「おひとつどうぞ」
#と、来客に出すことがないこと。
(チョコレートの不思議)
#地震の報道のあと、スーパーに駆け込んだ人たちは、小走りに走りながら、周りを見渡しては咄嗟の判断で、これは必要、これは要らない、とカゴに放り込んでいったわけだが、瓶詰めたちはその咄嗟の判断で見限られたのだ。
#キミたちは要らない。
東日本大震災という書くのがためらわれる災害のあとで、瓶詰めに目をつけるとは。
(駆け込み買い物)
#アジのフライはぜひともカラシをつけて食べたい。
#串カツにもカラシ。
#ぼくなどは、串カツに辛子をつけないなら食べないほうがまし、とさえ思う。
(カラシと日本人)
やってみよう。
#いま、アンパンを買ってきて食べようとしているところなのだが、しかし、まー、このー、アンパンというものは食べ物としてあまりに芸がなさすぎるのではないか、なんてことを、アンパンをこうして手に持って眺めながら考えている。
(アンパンのしみじみ)
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