1523 眞野先生。本が傷んだら修理するだけじゃダメってホント? 監修・眞野節雄
図書館より。株式会社DBジャパン、教えて!先生シリーズ。副題、ストーリーでわかる図書館の資料保全の考え方。お名前は「しんの」とお読みする。
女性司書が図書の修理について学ぶオリジナルストーリーの中で、修理の考え方が語られる。
始めはストーリーがかったるく、早く修理の仕方を読みたいなと思うが、主人公が一度「修理したがり病」になるところが味噌なのだ。「修理は本のバランスを崩すので、必要最小限に」という覚悟こそが監修者の言いたいところであろう。
#資料保存の5つの方策
*予防 点検 修理 代替 廃棄
例えば子供の絵本が汚れても、手間をかけて直すより、買い直した方がいい。
*本をぎゅうぎゅう詰めにすると壊れる。特に子供の書架や小学校の図書館。
ああ、あるある。上から指をかけると背が壊れてしまうのだ。
*ページの補修の流れ
*バットででんぷん糊を水で薄める
*水でぬらした筆で和紙をなぞる
*和紙を手でちぎってパッチにする
*不織布かクッキングシートを破れたページの下に敷き、裂け目に糊の水を薄く塗る
*パッチに糊の水をまんべんなく塗る
*パッチをピンセットで破れの上に載せ、ピンセットで広げる
*パッチを載せた場所を湿ったタオルで押さえる
*不織布かクッキングシートを重ねる
*本を静かに閉じる
*板で挟んで重しを載せる(一晩待つ)
この糊の水はごく薄くする。また、紙の目(繊維の方向)も合わせる。
巻末のQRコードから「製本の工夫を知る」という11ページのpdfファイルを見ることができる。本の背を上から見たとき(下からでもいいけれど)空洞ができる構造をホローバックという。本を開きやすい工夫である。hollowは「中空」。
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