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1526 AI翻訳革命 隅田英一郎

 図書館より。朝日新聞出版。副題、あなたの仕事に英語学習はもういらない。

 機械翻訳は言葉のルールを解析しようとしてきた(ルールベース方式)。しかしコンピュータが進化しAIが使われるようになると、ルールではなく単語と単語がどのくらい一緒に使われるか、を数値化して翻訳するようになった。たとえば「自動車」と「運転する」はよく共起するが、「王」と「運転する」はそうではない。「王」は「即位する」「誕生する」と共起する。これをニューラルネットワーク翻訳と呼ぶ。……そこまでは読めたがそれからどうやって訳文を作るのかは読み取れなかった。

#AIの深層学習等では、著作権者の承認なしで、著作物を利用してよい
 ニューラルネットワーク翻訳では、良質な対訳が多量に求められる。だから著作権の改正が行われた(2019年1月1日施行)。

 AIはどのくらいの翻訳力を持つのか調べる手法が興味深い。いろいろなTOEICの点数を持つ人と翻訳を比べて、勝ち負けを判定する。勝率が五割の人のTOEICの点数が、AI翻訳の点数だ。
#2020年において、自動翻訳のTOEICスコアは900点となった。

 英語教育はいらなくなるのか。電卓ができても、人は計算を学ぶ。

 著者はNICT(情報通信研究機構)で働いて、VoiceTra(ボイストラ)の開発に携わってきた第一人者。だから日本の機械翻訳の通史としても貴重な資料である。
 NICTと言えばデイリーポータルZの面々がうるう秒を見に行くところだ。
 挟まれるコラムも読み物として楽しい。

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