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1570 変わる日本語それでも変わらない日本語 塩田雄大

 図書館より。世界文化社。副題、基礎から身につく「大人の教養」NHK調査でわかった日本語のいま。お名前は「しおだ・たけひろ」と読む。

 NHK放送文化研究所で日本語を研究する著者が、言葉の疑問を解説する。ただし著者はこれは正しい、正しくないとは断じない。変わりゆく言葉の現況を記録しようというスタンスである。
「昼過ぎとはいつなのか」「『せいぜい」はもともと『精々』でよい意味」「『北京市郊外』は北京に隣接する町? それとも北京市内の外れの方?」などはっとさせられるページがたくさんある楽しい本。必ず無理やり落ちをつけるのも楽しい。

*文頭ナノデ; 「だから」と言ってしまうとややぞんざいだけれども、「ですから」「そのため」ではやや堅苦しすぎる、というような中間的な場面でよく使われているようです。

#「めちゃくちゃ」も、「まったくでたらめだ」というもとのマイナスの意味から離れて、「めちゃくちゃうれしい」「めちゃくちゃおいしい」などのようにプラスの意味の場合にも用いられるようになっています。
 「飛び抜けて弱い」はありかなしか。

*女房詞(ことば)
*冷やし→お冷 強飯→おこわ むすぶ→おむすび もてあそびもの→おもちゃ つむり→おつむ 襁褓(むつき)→おむつ いしい(よい、うまい)→おいしい 鳴らし→おなら
 「おもちゃ」の日本語らしくなさはここから来ていたのか。弄びは「もちゃーそび」だったの? それとも「おもてあ」がおもちゃになったのか。
 「おいしい」「おなら」が女房詞とは初めて知りました。

*「君を忘れない」では「君そのもの」に着目しているのに対して、「君のことを忘れない」は「君」および「君」にまつわることすべてをひっくるめて全体的に表現しようとしている、といったような違いがありそうな気がするのですが、いかがでしょうか。

#「雨」というものは「降る」のが普通です。このように「普通」のことを言う場合には、「雨が…」となることが多いのです。その反対に、本来「降る」ものである「雨」に関して「降らない」という場合には、「雨は…」となる傾向が多いようです。
 だからdon't / isn'tが後ろにあっても予想できるから困らない、という話。

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