2057 天然石と鉱物の図鑑 塚田眞弘
図書館より。日本実業出版社。松原聰・監修。副題、鉱物の魅力がわかる。
著者の塚田さんは天然石バイヤーで、監修の松原さんは科博の先生。最高の組合せ。
1つめがダイヤモンド、2つめはコランダム、3つめはベリル、と学問的に系統立った教え方をする。コランダムの赤いのがルビー、青いのがサファイアである。ベリルの緑色なのがエメラルド、水色なのがアクアマリンである。ちょっと入りづらい。
#ネフライトは角閃石の一種で、ひすい輝石は輝石の一種。ネフライトは軟玉、ひすい輝石は硬玉ともいいますが、硬度にそれほどの違いはありません。どちらも緑色をしていて外観が似ているこのふたつが、実は別の鉱物だとわかったのは19世紀に入ってから。
トルコ石。
#名前はトルコに因みますが、トルコで採れるわけではありません。ペルシャ(現在のイラン)産の石がトルコ経由で地中海、ヨーロッパ方面にもたらされたために、この名がつけられました。
「七面鳥ターキー」現象。有田焼(産地)が伊万里焼(港)と呼ばれる現象。
#白金というのはプラチナ族の一種です。白金=イコールプラチナではなく、プラチナ族には、イリジウム、オスミウム、パラジウムなど6種類があります。
鉱物は「属」でなくて「族」という区分をするのがかわいいね。
#ハンマーなどで叩くと火花が出ることから、英名のパイライトはギリシャ語で「火」を意味する「pyr」に由来。外観が金と似ており、見分けのつかない人がよく金と間違えたことから「フールズ・ゴールド(愚か者の金)」とも呼ばれます。
黄鉄鉱。そんなにわかを追い出してその趣味自体が衰退するような真似はしないでほしい。
秋田県の阿仁鉱山で算出した、五角十二面体結晶が見れば見るほど魅力的である。サッカーボールの黒い五角形だけで作られた形。
*石膏; Gypsum
発音は「ジプサム」。なるほど!
#砂漠などの乾燥地帯で花弁状になった鉱物を「砂漠のバラ(デザート・ローズ)」または「ローズ・ド・サハラ」と呼んでいますが、これはほとんどが石膏か重晶石によるもの。アルジェリア、リビアのサハラ砂漠のほか、アメリカ、メキシコ、モロッコなどの砂漠地帯で見られます。
新谷かおるの『砂の薔薇』で、「砂漠のバラ」の写真を披露していたと思うが、何巻だったか。とりあえず1~3巻の巻末を見てみたが、なかった。
#粘板岩や頁岩などの堆積岩にマグマが侵入して、主に熱による変成作用によってできた石をホルンフェルスといいます。
よく聞くければ正体のわからなかった用語、ホルンフェルス。
*必ず用意するもの; ハンマー タガネ(平タガネ、丸タガネ) 地図(25,000分の1) ルーペ(16~20倍 「ひもを結んで首からかける」が親切)
*必要に応じて用意するもの; カメラ 水筒 雨具 コンパス 薬(バンソウコウ 虫除けスプレー) ナイフ
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