2090 僕はなぜ一生外国語を学ぶのか ロバート・ファウザー
図書館より。CUON(クオン)。訳・稲川右樹。
日本語、韓国語、スペイン語、フランス語、イタリア語……旅行と転居を繰り返し、「鹿児島の大学で日本人の学生に韓国語を教えるアメリカ人」という「ちょっと聞き違いじゃないか」と思うような経歴をお持ちである。
自分の外国語遍歴と外国語学習の変遷の歴史を上手に絡めながら、英語学習はどうすればいいかという何百回も尋ねられたであろう質問にも答える。
「冬のソナタ」以来、韓国語学習を始める人が増えた。しかしそのほとんどは挨拶や基本単語レベルの学習にとどまった。韓流ドラマというきっかけだけでは先に進めない。次のレベルに行くには、「外国語そのものへの興味」が必要なのである。
AI翻訳があれば、外国語学習はいらないのか。
*一般的な記事程度ならば、正確度がちょっと低くても全体的な意味を把握することに使える。だが移民の人々が学校や病院など公共機関から間違った案内を受けたとしたら話は別だ。たとえAIを通じて大まかな情報を得たとしても、再度人が点検する過程が必要だ。
#もう一つ注目すべきは、コミュニケーションと共感の面だ。コミュニケーションと共感を、AIを通じて他の言語に変換することがなぜ難しいのか。そこには答えがないからだ。
どうすれば外国語が上手になるのか?
#「学びたい外国語の文章をたくさん読んでください」
#多読は精読と異なり、広く、多く、気軽に読むことだ。関心のある分野、読みたいことをその都度選んで読み、外国語との接触を広げればいい。
#「言語に才能のある人であれば英語は30時間以内に、フランス語は30日以内に、ドイツ語は30年以内に学ぶことができる」
マーク・トウェイン。『The Awful German Language』という本もある。
英語を楽に覚える方法、という謳い文句は否定する。
#外国語を学ぶためには絶対的な学習労働が前提にならなければならないが、この労働のメインは暗記だ。だから何かとっておきの秘訣を探そうとするよりも、暗記の必要性を認めて受け入れたほうがはるかに精神衛生上いい。ただ、効果的な暗記法を探す意義はある。僕が見つけた方法は、ひたすら書いて声に出して読むことだ。
あとがきによると著者は「稲川くん、今なあ、うちに人からもろた納豆がようさんあるんや、よかったら取りに来ぃひんか」と京都弁を使いこなすそうだ。
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