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あん

 上映会。

「私たちはこの世を見るために、聞くために生まれてきた。だとすれば、なにかになれなくても、私たちには生きる意味があるのよ」

 千太郎はどら焼き屋の店長だが、甘いものは好きではなく、つまらなそうにどら焼きを焼く毎日。
 そこに徳江という手に痣のあるおばあちゃんがやってきてアルバイトを申し出る。こんな年寄に無理だろうと千太郎は何度も断るが、徳栄は「食べてみて」とタッパーに入れたあんこを置いていく。千太郎は一度はごみ箱に捨てるが、思い直して味見してみた。徳栄のあんこは絶品だった。
 おいしくなったどら焼きが評判になりお店は繁盛する。ところが徳江の秘密を知ったオーナーは千太郎に徳栄を解雇するよう言い渡す……。

 前半はコメディパート。「雇ってください、200円でもいい、お願いします」と低姿勢だった徳栄があんのことになると「あんが業務用?」「店長、火から下ろして」といつの間にか主客逆転。あんと会話しつつ、じっくり何度も作業を繰り返してできたあんは、それはそれはうまそうである。

 何度も出てくる黄色い電車は西武線。東村山という地名が見える。

 千太郎は常連の中学生のワカナと施設にいる徳栄を訪れる。働いていたときの徳栄は指は動かないものの楽しそうに作業をし、客と雑談をしていた。施設にいる彼女は、「ああもうこれは長くはないな――」と思わせるほどに衰えている。樹木希林の演技よ!

 ハンセン病の施設では、甘いものが出される日は特別な日だった。徳栄は製菓部で五十年あんを作り続けていた。

「店長さん。働いていたときは、本当に、楽しかった――」

 見終わってから調べる。ワカナは内田伽羅、内田裕也の孫。おばあちゃんとの共演を果たした。
 千太郎は永瀬正敏。身勝手オーナーは浅田美代子。ワカナの駄目母は水野美紀。
 最後のもう一人のおばあちゃんは市原悦子ですと?!
 桜の舞い散る季節に見たい映画です。お店の名前は「どら春」。

 堀川佐江子さんのこのページがしっとりしていてよいです。

 東京都人権啓発センターによる著者へのインタビューも見るべし。


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