2107 おんなのるつぼ 群ようこ
図書館より。新潮文庫。
群ようこは久しぶり。一時期むさぼるように読んだ。今でも本棚に文庫本が17冊、特集『十五年目の玄米パン』が並んでいる。『アメリカ居すわり一人旅』は最高傑作である。
#唯一ヒールの靴を履いていてよかったのは、痴漢と遭遇したときに、ふとどきな奴らの足の甲にヒールをのせて、全体重をかけると彼らはすぐに手を引っ込めた。
(ハイヒール)
#派手なのと華やかなのは違うということが、最近、やっとわかってきた。特に年齢を重ねると、本体が汚くなってくるので、それをうまいことカバーしないと、全体がどす黒く汚らしく見えてくる。そこで下手に派手なプリントものなどを着ると、恐怖の若作りになってしまうので、そのへんをうまく考えないといけない。
(晴れ着)
子どものころからスカートが嫌いでズボンばかりはいていた。男の子たちから「男が来た」の大合唱。放課後に復讐する。
#向こうは集団の中では元気だが、一対一となると怯えて逃げる。そこを絶対に逃がさず、暴力に物をいわせて人気のない野原に追い込み、自転車をぶつけて転ばすのである。あっけなく転び、
#「びー」
#と泣く彼を冷ややかに一瞥し、立ち去るのが喜びだった。
(内股)
表紙の立体工作がかわいい。ローファー、フリップケータイ、口紅、冷蔵庫、香水などが色とりどりの造形粘土(たぶん)で作られている。
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