3 コーヒーが廻り世界史が廻る 臼井隆一郎
中公新書。副題、近代市民社会の黒い血液。
「コーヒー? モカでしょ、キリマンでしょ、ブラジルがすごいんでしょ」という気持ちで読み始めたら、その歴史のごつさに戸惑う。
アラビア世界では、儀式の眠さを払い、神に近付くために飲んだ。
ロンドンのコーヒー・ハウスは、社交、取引、情報交換、世論形成の場であった。
モンテスキューはコーヒーを「理性を明朗ならしめる飲料」「人間を快活にし、その苦痛の思い出をまぎらしうるような飲料」と呼んだ。
ナポレオンはフリードリヒ大王のプロイセンへのコーヒー出荷停止を命じ、プロイセンではフランスへの反感が高まった。
などなど古今東西の世界史知識が問われる。著者はドイツ文学が専攻のようであるが、その教養には参ったの一言だ。
コーヒー好きにはお勧めの一冊。
ドッグイアー。
#「ビール」という名称は、「飲む」を意味する世俗ラテン語(boire)に由来するという説がある。
#……パリには紅茶ブームが生じ、多くのカフェは「ビストロ(Bistro)」に名称を変える。これはロシア語のブイストラ、すなわち「早く」を意味する言葉で、出入りするロシアの軍人に紅茶を早く出すことから来た名称である。
#……こうして1808年から14年間、リオ・デ・ジャネイロが(略)ポルトガルの首都となったのである。
なんのことだと調べてみた。ポルトガル王家がナポレオンに追われてこの地に避難していたのだ。
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