« ミッドタウン2025(8) | トップページ | 週刊ポーシャ20250614・スナップ「リングライト・スマートバッテリー」 »

4 短編小説のレシピ 阿刀田高

 何がきっかけだったか、学生時代に著者の本をいくつか読んだ。端整な文体と、確かな教養、そこはかとない色気、けだるい雰囲気が好きだった。ただいつの間にか、けだるさがゆるさに感じられて、読まなくなった。
 著者の本を買ったのは、10年ぶり、いやそれ以上だろう。

 向田邦子や、松本清張、中島敦、そして夏目漱石らの作品を引き、おもしろさを語る。「自分の作品はここからアイデアをもらった」と正直に語っているのがおもしろい。
 また、著者が子供のころは芥川龍之介と落語を読んでいたことが、私と共通しているのがうれしい。

 ドッグイアー。

#まだ書き慣れていない小説家志望者が、
「短編小説のアイデアって、どこで見つけるんですか。探してもなかなか見つからなくて」
 と嘆くときは、彼の中にこの工房ができていないから。工房の工作機械がまだ貧弱なので自分の工房で加工できる見通しをもって素材の海を見ることができないからなのである。

#日本におけるショートショートは、
 まず始めに星新一が在った。しかる後にショートショートが存在した。この逆ではない。

#ショートショートの定義は、とても短い小説、これ以外には言いようがない。”とても短い”は四百字詰めの原稿用紙で十五~二十枚くらいまで。そして小説という以上、文学にふさわしい描写で綴られ、短いながらモチーフを備え、ストーリーをもっていることが肝要だろう。


|

« ミッドタウン2025(8) | トップページ | 週刊ポーシャ20250614・スナップ「リングライト・スマートバッテリー」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ミッドタウン2025(8) | トップページ | 週刊ポーシャ20250614・スナップ「リングライト・スマートバッテリー」 »