58 世界の歴史11 新大陸と太平洋 中屋健一
中公文庫。
中表紙に私の字で、「’91・7・1」とある。大学生のとき、アメリカ文学の授業で買ったものだ。当時の私はアメリカの歴史なんて知らなかった。せいぜい、ワシントンと南北戦争くらいなものだ。あとはボストン茶会事件。名前がユニークなので覚えている。
わずか数ページでジョン・スミスとポカホンタスが登場する。フランクリン、ジェファーソン、ビリーザキッド、ストウ夫人、リンカーン、ジェロニモなど、なんとなく聞いたことのある人物が語られる。どんどん読みすすめてしまう。
アメリカ300年の歴史を、わかりやすい文章で、情熱的につづっている好著。私の陳腐なコメントより、豊富なドッグイアーをどうぞ。
ドッグイアー。
#ハミルトンは(略)新首都を南部におくのとひきかえに(略)かくして、ワシントンと名づけられた新首都が、メリーランドとヴァジニアにまたがった地区にコロンビア特別行政区としてつくられ、一八〇〇年にここに首都がうつり、今日にいたっている。
#民主主義がうまく動くためには、それに参与する人々がすべて知識を持っていなくてはならない。
#ふつうの国では、西部といえばその国の西の方あるいは西半分をさすのだが、アメリカ合衆国ではそうではない。(略)独立当時の十三州以外の西方の土地全部をさすのである。
#もし、イライ=ホイットニイという男がいなかったら、南北戦争は起こらなかっただろうといわれる。
(ホイットニイが綿と種を分ける機械、綿繰機を発明し、せっかく世論が奴隷廃止の方向に動いていたのに、また奴隷を必要とするきっかけを作ったから)
#カウボーイたちが牛追いを始めるには、まず二千ないし五千の牛や仔牛をあつめ、これに焼き印をおし、所有者をはっきりさせてから出発する。
#(スワード国務長官のアラスカ購入に対し)多くの新聞は、「スワードの冷蔵庫」とか「北極熊の動物園」「スワードの愚行」というようなことばを使ってこれを皮肉った。(略)一九世紀の終わりには金鉱が発見され、しかも戦略的に重要な位置を示し、けっして「スワードの冷蔵庫」にとどまらなかったことを物語っている。
ベーリング海の両側がロシア領だったら、ロシアとカナダが地続きだったら、と考えると、スワードの慧眼である。
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