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60 話し方のマナー 塩月弥栄子

 光文社カッパノベルス。

 大学生の一時期、話すことに興味を持っていた。口下手なのでなんとかしようと思ったのだ。【付記】今でもそうだ。

 さて著者は裏千家宗室の娘として生まれ、現在でも茶道を指導をしているようである。『冠婚葬祭入門』は大ベストセラーだそうだが、私は未読。
 そんな著者だから堅苦しそう、と先入観を持っていたが、さにあらず。
 あっさり、実用的な話が多い。
「電話ではまず用件を言ってから話しだす」
「約束の席に遅れたときのお詫びは、部屋にはいる前からするとよい」
「相手の目をもう少しだけ長く見る」
「名前を失念したお詫びには、相手の服装・髪型が変わったことを理由にする」
 どうですか、実用的でしょう。

 ドッグイアー。

#七(しち)と言わずに七(なな)と言う
(警備や旅行など、聞き間違いを防ぎたい業界ではそう言いますね。)

#事実と推論を混同して話さない
(救急車がある家の前で止まった。急病人なのかもしれないが、ただパンクしているだけかもしれない、という例を挙げている。)

#事柄を叱って人柄を叱らない

 本文イラストは中原収一。このモダンでトランプの絵札のようなテイストがたまらない。


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