2132 ショージ君のコラムで一杯 東海林さだお
神田神保町@ワンダー(見つけて、うれしかった!)。文春文庫17番。
表紙は馬手(めて)に鉛筆、弓手(ゆんで)にジョッキを持つ筆者。
#この世にタダのものは存在するのである。
#牛丼屋の紅生姜がタダである。
#立ち食いそば屋の刻みネギがタダである。
#さっぽろラーメン屋のおろしにんにくがタダである。
(無料について)
すばらしいリズム…!
またもラーメン屋で無料のニンニクを取る。
#「思えばオレの生いたちも暗かった」
#と次第に気持ちはすさんでいき、今はもう極悪人のような心境になってにんにくを容器ごと取りあげ、根こそぎドンブリにあけ、
#「文句あっか」
#と、今度は新宿西口バス放火犯ふうの視線で、周囲をハッタと睨みさえする。
(無料について)
#例のネエちゃんが、
#「かけうどん出ます」
#と、力強く宣言して、かけうどんを高く捧げ持って、テーブルの間をジグザグと通ってこちらに近づいてくる。
(大冒険、かけうどん)
「テーブルの間をジグザグと」に天才を感じる。
#もう一口ふつうのうどんをすすり、次にまた「さてのうどん」をすすりしているうちに、なんだか物狂おしいような気持になっていった。
#うどんに次ぐうどんの猛攻である。
#うどん地獄、などという言葉も浮かんでくる。
(大冒険、かけうどん)
#まず航空会社としては、退屈でしょうから、せめて食事でも楽しんでください、という親切心なのだろうが、こうも次から次へと食わされては卵でも生まなければ申し訳ないような気がしてきて、ウンウンうなってみたが卵は出てこず、代わりにおならが出た。
(養鶏場のニワトリ)
#「やがてはこんな手術なくなるでしょうな。またそうであって欲しいですね。昔は、こんなバカな手術をしたんだ、といって笑い話にできるような」
(膜貼り替えます)
#たとえば、化粧品屋さんで、マユズミを見てもジュンちゃんを思い出し、靴屋さんで、クツズミを見てもジュンちゃんを思い出し、一人涙ぐんでいるのです。それにビールだって、ジュン生以外は絶対に飲まないのです。シャツもパンツもJUNを愛用しています。
(黛ジュン賛江)
#そこで、少しは勉強をしなくちゃと思い、試合当日のスポーツ新聞をたくさん買ってみると、どの新聞もどの新聞も、西城とクロフォードが勝利のVサインを突き出している写真を載せている。
#勝利という英語はVで始まるからいいようなものの、もしQなどで始まる英語だったら、一体、両者はどんな手つきをしなければならないのだろうか。
(ペテペテと〝男の火花〟)
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