110 柳家花緑と落語へ行こう 柳家花緑
図書館より。旬報社。
構成がいい。まずは寄席案内。水玉蛍之丞っぽい(別人だが)イラストが親しみやすい。
次に自伝。小さんの孫ということで正真正銘のお坊ちゃんだが、屈折せずあっけらかんとしている姿がりりしい。「兄弟子に忘れ物の体育着を学校に届けてもらった」「馬風師匠、小三治師匠に稽古をつけてもらった」 なんて贅沢な。
#蕎麦を食べるしぐさは、祖父・小さんが得意にしておりました。(略)ん~、僕もそんな美味しそ~うに蕎麦の音を出せるようになりたい!
噺紹介、噺家紹介なんてのは平凡でどうでもいいが、最終章がすごい。「ぼくのかんがえた番組」を持って、なんと立川談志、三遊亭小遊三、春風亭小朝、三遊亭円楽(五代目)に「どうですか」と話を聞きに行ってしまう。この行動力。お坊ちゃまだ。
大物四人の返事が楽しい。
談志: 楽しいだろ? こういうドリームプラン考えんの。オレ個人はこいつらの責任取るの嫌だ。オレ今、落語に興味がねえんだ……。
小遊三: 道は遠いね。これをやるために、もう一つ二つ前の作業が必要だ。
小朝: 熱き落語小僧はみんな考えるんだよね。けどね。ちょっと早い。あなたは今もっと、自分のために走るべきだよ。
円楽: 芸人には常に”めっぽう上手い奴”、”めっぽうおもしろい奴”そして”若い、これから伸びてくる奴”が必要だ。この表にはそれがある。落語協会・落語芸術協会って言っても、昭和になってから出来たものだからね。ぜひ、これをやってください。全面的に賛成します。
【付記】
小遊三師匠は現実的。でも「本当にやるなら」と考えてくれている。
小朝師匠は「妄想していないで、あなたはもっと稽古をしなさい」。
円楽師匠(星の王子さま)は懐が広い。後半は落語分裂騒動を経て円楽党を立ち上げた人らしい意見。
談志師匠の心をのぞき見ることは難しい……。
六代目円楽(ブラック党・瀬古利彦・青山学院大学)が立ち上げた博多天神落語まつりは五代目の遺志を継いたものかもしれない。
今さらですが27歳で『笑点』出演ってすごいよなあ。(つらいこともあったようですが)
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