98 待ってくれ、洋子 長門裕之
図書館より。主婦と生活社。
本屋に平積みされたときから気になっていた本。
老老介護。なんとさびしい言葉であろうか。
台詞が「入らなく」なっていく南田洋子。ついに部屋と居間とトイレの往復だけになる。そんな中でも、奔放だった自分を愛してくれた洋子への感謝を持って、愛情をささげ続ける長門裕之。
また自分のことをここまでできるか、と驚くくらい正直に告白している。借金のため豪邸を売ったこと(介護には広すぎることもある)、暴露本でバッシングを受けたこと、自分のおならで洋子が笑ってくれること。それがうれしいこと。決して絶世の美男子ではない長門裕之がここまでになったのは、この誠実さも一因ではないであろうか。
出会いのシーンもいい。無名の新人の長門が、豹革のコートの大女優に声をかけられる夢物語。表紙の笑顔も泣ける。
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