カテゴリー「映画・テレビ」の54件の記事

この世界の片隅に

 久しぶりの映画館。

 戦争前夜の広島で生まれた絵の好きな「ぼーっとしている」女の子が十九になり、軍港呉にお嫁にもらわれていき、そこで生きていく物語。

 上映が終わり、室内が明るくなったときの雰囲気が異様だった。
 誰も口を開かなかった。
 ふつう「おもしろかったね」「トイレ行こう」なんて声が聞えるものだが、一切なし。
 私を含めた観客が、この映画の重さを受け止めているのだ。
 かなりの人が、「すずさんが生きていたら何歳だろう?」と考えたはずだ。「母くらい」「祖母くらい」と。

 宿題をもらった気分。
 「お前はこの映画を見て何を感じるのだ?」
 もちろん反戦映画である。夫婦の愛情もテーマであろう。広島だから核兵器廃絶の祈りも避けて通れない。知らないところに自分一人で入っていく、嫁入りという制度の中の女の一生も大事なモチーフである。

 そしてそこには、契約問題でこじれて自分の本名さえ名乗れない「のん」さんの素晴らしい演技と、彼女が置かれた境遇がオーバーラップされる。
 彼女の広島弁がかわいい。どうしても『はだしのゲン』の影響で(おどりゃムスビ)広島弁は怖い言葉というイメージがあったのだが、「…ですけえ」「おりんさった」なんて優しい広島弁が耳に心地よい。パフュームの「あーちゃん」を思い出す。

 短いカットインが挿入され、「あっ? あっ?」と思っているうちに次に行ってしまうので、きっと複数回見るとまた発見がある映画であろう。

 ネットでは「百年に一度の傑作だ」なんて声もあるが、さもありなん。素晴らしいアニメ映画を二本挙げろと言われたら、私は本作と『カリオストロの城』を挙げる。

おすすめマークほい! ★★★★★+★★
(5点満点ですが凌駕)

<以下は内容に関する表現があります>

  

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アナと雪の女王

 劇場。私はyoutubeで"Let It Go"のシーンを見てこれは見なければいけないという衝動に突き動かされたが、家族にはそのモチベーションはない。スージーは相変わらず出不精だし、頼りのポーシャも「ドラえもんの方がいい」とつれない返事。予定に30分遅れでやっと連れ出したが「映画をやめて男鹿(観光地)に行こうよ」「プールがいい」という調子。
 だから到着したときは姉エルサの戴冠式の直前で、アナとハンスが出会うシーン。

 場内はほぼ満員。遅れて行った私は前の列の左の端っこというもうワーストなポジション。

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APOLLO13

 名作。
 冒頭のアポロ204(1号)が効いている。宇宙旅行ではクルーにミスがなくても設計など地上スタッフのミスが命取り。

 まずもってジム・ラヴェル役のトム・ハンクス、その妻役のキャスリーン・クィンランがいい。美男子、美女らしくないのがいい。
 また不慮のトラブルで望まれず入れ換わったジャック・スワイガート役のケヴィン・ベーコンが「自分一人だけフィットしていない感」をよく出している。ラヴェル、ヘイズはクルーカットなのにスワイガートはちょっと髪が長い。
 世間のレビューを見れば(生還したから)緊迫感がないという評もあるが、大気圏リエントリを手作業でやるというプリミティブな手法にくらくらする。もちろん二酸化炭素フィルタも山場だ。
 そしてリエントリ。司令責任者のエド・ハリスが渋い。夢破れて操縦桿を握れなかったケン・マッティングリー役のパクストンも鬼気迫る。

おすすめマークほい! ★★★★★

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おかえり、はやぶさ

『おかえり、はやぶさ』映画オフィシャルサイト

 最大の感想。


音楽が変。

 せっかくがんばって映画を作ったのに、どうしてこんなひどい音楽を付けられなければならないのだ。何かの罰ゲームか。音楽家が一人シンセサイザーで即興で作ったような適当な騒音。耳障り。あるいはどうしようもなください。冒頭イオンエンジンチーム登場のところで、安っぽい音楽が鳴った。誰かが携帯電話を鳴らしたのだと思った。それ以降せっかくの感動的なシーンは、そのたびに音楽でぶち壊しになる。

おすすめマークほい! ★★

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はやぶさ 遙かなる帰還

映画『はやぶさ 遥かなる帰還』公式サイト

 つまらない。撮っていておもしろいと思っていたのであろうか。上映が終わったとき、
「なんだったんだ」
と思った。雪道を一時間もかけて運転し、ポップコーンを食べに来ただけだ。

おすすめマークほい! ★

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はやぶさHAYABUSA

映画『はやぶさ/HAYABUSA』公式サイト 10.1 ROADSHOW

 小惑星探査機はやぶさを映画化してくれたことに、最大限の敬意を払う。しょせん一部のマニアがネットで盛り上がっていただけの話だ。こうやって映画化されれば、それは国民的な存在になる。そういう意味で、序盤糸川先生について詳しくかつ敬意を払って説明した点は評価してもしすぎることはない。
 また、これを私は封切日、10月1日に見た。映画の日で料金が1,000円という幸運に恵まれたが、さらに着席後係員がA5クリアケースを配りに来た(小さい)。的川先生、川口先生、國中先生、矢野先生、齋藤先生のコメントが載っている。これは貴重品である。

(以下、内容に関わる記述があります。まだ見ていない方はご遠慮ください。)

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タイタニア録画

 BSプレミアムで放映されていたスペースオペラ・アニメ『タイタニア』。HDDレコーダーにためていたのだが、ようやくDVDに落とした。全26話。1話25分なので、1枚に3話入れようとすると足りない。エンディングを削る(圧縮してもいいが、うちのレコーダーでは圧縮すると等速録画になる。やっていられない)。
 それでも気付かなかった序盤部分や、放映時間変更のため後半が録画できなかったものがある。以下、自分のためのメモ。

1 すべてなし
2 すべてなし
4 すべてなし (3話はあるのになんでだろう)
8 後半欠損
16 後半欠損
26 後半欠損

 ナイターの延長でドラマの録画ができなかった人の気持ちがわかった。

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ちょっと見てきて オン めざましどようび

@nifty:デイリーポータルZ:ちょっと見てきて:定食屋「くるみ」

 取材オーケーの旨をニフティの編集さんに伝える。電話番号も教える。フジテレビから直接電話があるとのこと。

 そして今日、フジテレビから電話がかかってきた。
・それらしき店舗があるようだ。
・9月4日に放送する。
・「定食くるみ」でなく「蕎麦処くるみ」である。
・「くるみ」にはまだ行っていないのでこれから行く。
・何か思い出はないか。主人と親しかったか。
・投稿した切っ掛けは何か。

 そんなことをお話しする。

 今週の土曜日は「めざましどようび」を見よう! チェックイットアウト!

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クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

 親を名前で呼び捨てにする子供は許せない。その一点だけでこの漫画は読んでいない。
 バラッドとかいうベタベタな題名の映画にもなったそうで、評判もいいので借りてみた。

 最高。
 まずプロットの基本はロミオとジュリエット。本人の意に反して、「お姫さまは政略結婚するのがお国のためです」なんて言うところが泣ける。
 時代考証がすばらしい。NHKの時代劇に勝るとも劣らない。ちょっとした用語。たぶん子供はわからんだろうなあ、という語を流すように使う。曲輪(くるわ)の描写もいい。
 戦場での部隊の使い方。槍の使い方。『クイズ面白ゼミナール』の本で、「雑兵は列になって槍を振り下ろして使う」とあった。それを初めて見た。
 野原家の夫婦の愛情もストレートに表現されて、すかっとする。
「しんのすけのいない世界なんかに、未来があるか?!」
「わかった! 戦国時代でもどこでも、行ってやろうじゃないの!」

 終盤。決死隊は私の涙腺をヒットする。
 青空を眺めるのが好きな武士(でもとても強い)という存在が、心を打つ。
 金打(きんちょう)で脇差をしんのすけに預けているのが、すばらしい伏線になっている。

 そしてエンディング。
 しんちゃんに泣かされるとは思わなかったよ。隠れた副題、青空侍。
「21世紀はお互いが好きになればいいんだよ」 名言。

おすすめマークほい! ★★★★★

みんなのレビュー 191にうなる。

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銀河英雄伝説 黄金の翼

 とっても異色作。
 ヤンの髪と瞳が茶色。声も富山さんではない。帝国の下士官が黒い軍服でなくて白いジャンパーを着ている。皇帝の顔が違う。メカはまるで違う。トゥールハンマーも、スパルタニアンもワルキューレも別物だ。
 それらは「原作でなくて、道原かつみの漫画を元にしているから」だそうだ。クルムバッハはさらに変態っぽくなっている。

 キルヒアイスとラインハルトの出会い、そしてアンネローゼを奪われたラインハルトの怨嗟が克明に描かれている。ラインハルトがなぜ帝国の旧体制打倒を果たしたのか、本作を見ているのと見ていないのでは解釈がずれてしまうであろう。それくらいの注目作。

おすすめマークほい! ★★★★

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