副題、収集・分析・評価の落とし穴。講談社現代新書。
もう16年も前になるが、湾岸戦争のときその独特の髪型で脚光を浴びた著者。その著作を読んでいると、その頭の外側でなく内側こそ傑出している。まず序論で、日本語で一般に「情報」と呼ばれているものの三段階を示す。
1)データ …… 個々の現象や数量。
2)インフォメーション …… データを集め、種類ごとに分類したもの。
3)インテリジェンス …… インフォメーションを分析、評価したもの。
(私としては1と2だけで充分だが。)
#湾岸戦争のとき、「BABY MILK PLANT」という手書きの看板の前で、イラク人女性が「こんなところで爆撃なんて」と英語で多国籍軍の非道を訴える。
#今回のイラク戦争で、ブッシュ政権は攻撃を正当化する情報を求めた。そこに組織の弊害が加わる。上司が「情報がないだと。調査不足だ。もっとしっかりやれ」と言うと、部下は上司の気に入る情報だけを持ってくるようになる。
後書き「おわりに」にこうある。
「本書の執筆に当たっては、資料、図版の準備に妻、裕美子の助けによるところが大きい。その意味では本書は彼女との共著と称し得るものである。末尾を借りて、裕美子に感謝の意を表したいと思う。」
このように妻への愛情を堂々と書ける美点は、もっと真似されてよい。
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一時期、書評(読書感想文)をgoo blogに書いていた時期があったが、goo blogは2025年11月28日にその使命を終える。書評は180本くらいある。なくなるのもなんなのでココログに再掲します。
ちなみに娘ポーシャが生まれるとき、病院の待合室で読んでいた本はこの本です。江畑謙介さんの御本を読んで、家族を下手に謙遜せず尊重すること、家族に謝意を伝えることを恥ずかしがらないことを学びました。
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goo blogで書評を始めるときに、こんな文章を書きました。
書評のページを、4年ぶりに始めることにしました。
なんて私はあくまでも素人ですので、変なところも偏ったところもあるでしょう。
ただすでに読んだ人に共感してもらえたり、これから読む人にきっかけになってくれればそれに過ぎたるはありません。あとは自己満足ですね。
一つだけ説明。ドッグイアーとは、dog earです。dog yearとは「成長の早い犬の年齢」ということですが、そうではなくて、文字通り耳の犬。私は自分の本を読んで心に残る部分では、ページの片隅を三角形に折ります。それがドッグイアー(借りた本でやってはいけません)。
それではよろしくお願いします。(日本語の便利な挨拶)
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