カテゴリー「書籍・雑誌」の1000件の記事

1472 そうだ、ローカル線、ソースカツ丼 東海林さだお

 文春文庫。76番。

 ローカル線に乗りビールを飲み、バスはさすがにビールは我慢し、メイド喫茶に乗り込む。京都の定食屋も食べに行く。

#我が敵のまず第一は、例の車内化粧女である。とにもかくにも、あのバカ女に鉄槌を下したい。

#俺は長い旅で胡椒がいかに偉大かということがわかった。なぜ胡椒のせいで戦争が起きたのか、今ならわかりますよ。塩の次は胡椒だね。あとは唐辛子。そして、それをすべて凌駕するのが醤油。
#モンゴルの遊牧民にはかなり俺が醤油を流行らせたよ。茹でた羊に醤油が合うんだ。ちょっと洋ガラシつけると最高。みんな感激して取り合いになっちゃった。(椎名誠)

#カナダ政府はエスキモーという言葉は「生肉を食う人」という意味で蔑称だから、イヌイットに言い換えようと運動をしたんですよ。ところが、当の本人たちはエスキモーと言われることに苦痛も何も感じていない。むしろ、生肉はうまいからいいじゃないかと言ってるのね。(椎名誠)
 これは世界に残したい名文。日本人が「米を食う人」と呼ばれても蔑称だとは思わないよね。

#生の馬肉を食うのは日本人とフランス人だけなのね。日本人が馬肉食ってるってモンゴル人が聞いたら日本を攻めてくるよ。何ということをしてくれるんだって。(椎名誠)

 付記。『カナダ=エスキモー』の評価がほぼ星五つ。これは読まねば。この本の評価も同じくらい高い。

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1471 会社の「仕組み」を知っている人だけが上手くいく 楠木新

 図書館より。大和書房。副題、入社3年目から絶対知るべき人事・評価・人間関係の基本。

 日本の会社が従業員に求めているものはMBAなどの資格やスティーブ・ジョブスの才能ではない。会社の一員として周囲と調和して働くことができる心構え、メンバーシップだ、というのがその主張。

#成果主義が導入されて効果を収めるには、働く社員にかなりの自由が与えられていなければなりません。役職による上意下達的な組織において導入すれば、自分がコントロールできないことまで責任が問われることになりかねません。

#俳句の世界では、「深は新なり」という言葉があります。今まで取り組んできたことを深めることによって新たな道が開けることがあるという意味です。

 このへんまではいいのだけれど。評価になるとこうだ。

*「取り替え可能な自分が求められる」「根回し、調整力」「配属は運」「上司の覚えがいい方がいい」
#「誰が評価をしてるのか」を考えることが、重要です。
 ここで漫才を引き合いに出し、「M-1で意識すべきなのは、お客さんでも他のコンビでもなく、審査員だ。審査員の心を動かさないといけない、とアドバイスしたそうです」との言葉を引用する。このあたりでもう夢も希望もなくなってしまう。

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買った漫画152-155・買った本90-92

 買った漫画。

152) キン肉マン 78 ゆでたまご
 表紙はバベルの塔を背景に、リアルディールズのキン肉マン、ロビンマスク、ウォーズマン、ネプチューンマン、バッファローマン、そしてオニキスマンとリヴァイアサン。リヴァイアサンはギミックを見せずレスリングの技術を披露する。オニキスマンはウォーズマンと配色が同じなので区別がしにくい。

153) アルスラーン戦記 17 田中芳樹・荒川弘
 表紙はメルレイン。因縁のザラーヴァントと協同する展開。エステルがけなげ。

154) 桐谷さんちょっそれ食うんすか 13 ぽんとごたんだ
表紙はハリネズミ。ミルク1グランプリを開いたり、アメフラシラーメンを食べたり。

155) キン肉マン 79 ゆでたまご
 表紙はウォーズマン。バックにはぐれ悪魔コンビ、バーサーカー、ザ・ナチュラル。サンシャインの人柄が最高。
#お前の怒りはオレの怒りだ!

 買った本。

90) おいしい日本語 金川欣二
 (未読)

91) 脳がほぐれる言語学 金川欣二
 ウェブの「言語学のお散歩」の軽妙洒脱さ。

92) バックギャモン入門 中村慶行・小野大地
 (未読)


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1470 ざんねんな食べ物辞典 東海林さだお

 文春文庫。97番。

 実在の人物を採り上げた話がおもしろい。「残念な人たち」では、山一證券の「社員は悪くありません」社長、雪印乳業の「寝てないんだ」社長を回顧する。「ヘビは長すぎる?」ではダグラス・グラマン事件で緊張のあまり手が震えて字が書けなかった海部八郎氏と「あの顔で大嘘をつくか佐川さん」を比較する。巻末の特別寄稿ではラーメンの思い出を語り、安藤百福氏の前でカップヌードルを食べた思い出を語る。
 「呑み潰れツアーで呑み潰れる人々」も明るくていい。

#♬小さな石鹸カタカタ鳴った
#などと貧乏くさいをことを言っているが、なぜその石鹸は小さくなったのか。
#それは「二人で暮らした年月」の長さを誇示して自慢しているのだ。
 これだ。若いころから発揮していたショージくんを貫く「ひがみ精神」。

#東海林 ファミレスで一人飲みってやったことあります?
#村瀬 最近はやりやすくなりましたね。

*村瀬 (サイゼリヤは)ムール貝やエスカルゴが399円。イタリアンの庶民化に貢献してます。
 村瀬秀信さんはライター、コラムニスト。

*「月」と書いて「うめ」と読ませる。「月はキラキラ光るので、そこから『きらめく』になり『らめ』のところの『ら』が『う』の字に似ているので何となく『うめ』になった」という。「何となく」というあたりに説得力がある。

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1469 ヨーロッパ各国気質 片野優・須貝典子

 図書館より。草思社。副題、ニュースでわかる。

 人間の性格は十人十色なので国民の気質を言い切ってしまうのはなかなか難しいが、それを割り切って、おもしろニュースを取り混ぜながらヨーロッパ諸国民の気質を紹介する。

#ゴミ問題には、地元マフィアのカモッラが絡んでいた。産業処理に携わっていたカモッラは、イタリア北部の工場から出た産業廃棄物を処理せずに、単にトラックで地元に運ばせて不法投棄することで巨額の利を得ていたのだった。
#カモッラをモデルにした映画『ゴモラ』は、カンヌ映画祭でグランプリを受賞。二〇一一年一一月、日本でも封切られ話題となった。

#国連が、「世界の他の地域で食物が不足していることに関し、あなたの意見を正直に聞かせてください」というアンケート調査を行ったところ、次のような反応があった。
#ヨーロッパ人は「不足」とは、何を意味するのか理解できなかった。
#アフリカ人は「食物」が、何を意味するのか理解できなかった。
#アメリカ人は「世界の他の地域」が、何を意味するのか理解できなかった。
#中国人は「意見」が、何を意味するのか理解できなかった。
#そしてイタリア国会では、「正直に」とは何を意味するのか、今も議論中である。
 新しいタイプのジョークだ。

#もともとのカステラの意味は「城」。天ぷらは「調味料」、メリヤスは「靴下」、寿司のばってらは「小舟」、おんぶは「肩」、ミイラは「痩せて青ざめた人」を意味する。

#二〇〇五年、ロシアのプーチン大統領をフィンランドに迎えた際、女性のハロネン大統領は国賓をサウナに招いた。男女別という伝統は守り、大統領代理として、ハロネン大統領のご主人がプーチン大統領とサウナを共にした。
 ご主人、災難。副大統領は何をしていたのか。

#そんな田舎道の行く先々で、よく見かけるのがイスラム教寺院の細長い塔のミナレットだ。このミナレットが見えるのはムスリム系住民の村、十字架の教会があるのはクロアチア系カトリックの村、十字架に二つの横木を加えた八端十字架があるのはセルビア系正教会の村と判別できる。
 著者の二人はベオグラードに住んでいたことがあり、旧ユーゴスラビアに詳しい。

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1468 漢字の使い分け図鑑 円満字二郎

 図書館より。講談社。副題、マンガでわかる。

 会う、合う、逢う、遭うなどの同訓異字を印象的なイラストとともに解説する。
 一読して感じたのはその大らかさ。「迷ったらかな書き」「迷ったら好きな方」を書けばいい漢字が多い。

*【陰】は見えないことに重点があり、【影】は見えることにポイントがあります。

#「ワニ皮の財布/ワニ革の財布」のように元々毛がない「かわ」の場合は、どちらを使ってもかまいません。

 「利く」か「効く」か。
#おおざっぱに言って「利用できる」に置き換えられる場合には【利】を、「効果がある」に置き換えられる場合は【効】を用いると考えるのが、わかりやすいでしょう。

#「指差す」は、意味の上では【指】を使うべきですが、同じ漢字が重なるのを避けて【差】を書くのが一般的です。
 これに得心がいった! 「指指す」はたしかに見たら驚く。

#【尋】は、もともとは「左」と「右」を組み合わせて作られた漢字で、「工」「口」が含まれているのはその名残です。左右の手を広げて良さを知ろうとするところから、“問いかける”という意味になったと考えられています。

*たとえば一ヶ月休みが取れたとしたら、何をしたい?; もし仮に、という仮定を表す場合
 ああ、その使い方は知らなかった。

#【脇】は「わき腹」を中心に「わきの下」までを指し【腋】は「わきの下」をピンポイントで指します。

 漫画はすどうまさゆき(twitter)。その名前は表紙や奥付にもない。もう少しねぎらってもいいと思う。

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1467 ハンダづけを始めよう Marc de Vinck(マーク・ド・ヴィンク)

 図書館より。オライリー・ジャパン発行。オーム社発売。テクノ手芸部監訳。鈴木英倫子訳。

 洋書に見られる剽軽な語り口で、ハンダづけを語る。初心者向けだが普通ちょっとお目にかかれないような道具も登場する。手のロボットのようなサードハンド、吸煙器、ヨリ線用ワイヤーストリッパー、真鍮製こて先クリーナー(水を使わないので温度を下げない)。

#フラックス入りハンダを使うと、ハンダを熱したとき、ハンダの中にあるフラックスが流れ始めるので、作業を少し楽にしてくれるでしょう。

#僕は、接点を3つハンダづけした後や、ハンダごてスタンドからハンダごてを取り出すとき、そして戻すときは、必ずこて先をふくことにしています。

*決してヤスリやサンドペーパーをハンダごてに使わないでください。こて先の外側のコーティングがなくなり、本来伝わるはずの熱が伝わらなくなってしまいます。

#部品の足を約45°の角度に曲げましょう。
 隣のランドとショートしないように。私は180度に広げていた。

*NASAには、2本の配線をつなげるときの高度な基準があります。NASAの人たちはこの方法を「保線夫結び」(lineman's splice)と呼んでいます。図では、事前にハンダめっきされた配線が交差し、さらに、互いに3回巻きつけてあります。

 「ヌレ」という表現は独特なので説明が欲しかった。ハンダが溶けてしみわたる状態なのと思うけれど。

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1466 空飛ぶ納豆菌 岩坂泰信

 図書館より。PHPサイエンス・ワールド新書。副題、黄砂に乗る微生物たち。

 納豆菌が主役ではない。新書によくあるキャッチーなタイトル設定。本題はバイオエアロゾル学の世界的な権威である筆者が、その研究人生を振り返った一代記。エアロゾルとは大気中に浮遊する個体や液体の微粒子のことだ。

#この年のライダー観測で得られた黄砂の高さ分布を示す。二キロメートルあたりと、六キロメートルあたりに二つのピークがあることが注目された。

*〈細菌〉四つのグループの中では最も小さい(ほかの三つのグループは、菌類、藻類、原生動物)。身近なものでは乳酸菌など。バクテリアとも呼ばれる。病原性のあるものは病原菌と呼んだりする。

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1465 教育鼎談 内田樹・寺脇研・前川喜平

 図書館より。ミツイパブリッシング。副題、子どもたちの未来のために。

 教育に経済原理を持ち込まないが信条の内田。ミスターゆとり教育の寺脇。教育史に詳しい前川。内田は大学運営で文科省に煮え湯を飲まされたこともあり、文科官僚だった二人との間には程よい緊張感が漂う。

*総合学科に対しては高校校長会も中学校長会も反対でした。生徒に選ばせたりしたら大変なことになるという、学習者主権とは正反対の考え方なのですから、押し切るしかない。小中学校では、画一的な教育を受けてきた子たちですから、高校生になっていきなり「君のやりたいことは何?」と聞かれても、ほとんどの子は「わかりません」と答えるでしょう。ですから小中学校の学び方を変えない限り、総合学科も広がらないだろうと、次の一〇年後の指導要領改定で、「総合的な学習の時間」を小中学校に新設しました。(寺脇)
 そんな迂遠な理由で!?

*「ゆとり」という言葉は、文科省はずっと使ってきていました。ただ、「ゆとり教育」とは文科省は言っていません。マスコミが使った言葉なんです。(前川)
#読売新聞が書いたんです。(寺脇)

#今、多くの教育委員会が「スタンダード」というルールを作っています。小学校の授業の最初の五分はまず目当てを言いなさいとか、授業の組み方自体をマニュアル化して、すべての教師がこれを実践しなさい、と言っているところもあります。(前川)

#「市場のニーズに応じる」というのは、「後手に回る」ということだからです。まず「ニーズ」があって、それを満たすように制度を整備する。教育行政とはそういうものであってはならないと僕は思います。(内田)

#黒川検事長の定年延長も、本来適用できない国家公務員法を適応できる、ということにしちゃったわけですから。もう内閣法制局はむちゃくちゃですよ。とにかく屁理屈を作れ、と言われたら作るようになってしまった。(前川)
#法学部の学生にとって法体系の整合性って最優先事項じゃないですか。そのために知的なトレーニングをしてきた人たちが、今どんな顔をして仕事をしているんでしょうね。(内田)

*大阪都構想は「コストを最小化する」ために始められたものですけど、二度の住民投票を含めて、膨大なコストを空費している。「ここに一〇〇万円ある。これを効率的に使うためにはどうすればいいか」と議論するための会議を延々とやっているうちに弁当代で一〇〇万円かかってしまったというようなものです。(内田)

#教育再生会議委員にもなった白石真澄さんという人が「買い物するときはどこで買うかお店を選べるのに、学校は選べないなんてそもそもおかしい」と言うから、「それは、教育は買い物ではないからです」と反論したことがありました。(寺脇)

#悪いけど、反知性主義者には時間の感覚がないんです。世代を超えて受け継ぎ、継承されるものがあって初めて共同体は存立するという自明の理屈がわかっていない。(内田)

*(教育基本法の第四条)は「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位または門地によって、教育上差別されないという規定です。つまり憲法と教育基本法は、教育を受ける器械については単に差別しないというだけではなく、経済的地位による格差は認めない、という考え方なのです。(前川)
 2022年夏、小学生から四度も留学させてもらうほど経済的に恵まれた学生が「学歴重視」から「経験重視」を主張している。そんな思想を許してはならない。

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1464 チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 塩野七生

 古本。新潮文庫。

 大航海時代5というゲームにチェーザレという権謀術数を使う髭のおじさんが登場した。どちらかというと妹のルクレツィアの方が優遇されていたような気がする。大航海時代5は終了してしまったが、そう言えば図書館のあげますコーナーからもらった一冊にこれがあった。

 解説にあるように著者はチェーザレを憧れの対象として見ており、毒薬使いでなく、美しい活動的なスーパーヒーローとみなしており、彼のラブコールを小説にしているように思える。

#カテリーナは、女ながらも馬鹿にはできない敵だったのである。二十四歳のチェーザレの初陣の相手として、三十六歳になってもまだ美しいこの女傑は、なかなかに手強い相手となった。
 子供を人質に取られても動じなかった女傑カテリーナ・スフォルツァがここで登場するとは。しかもチェーザレは戦後カテリーナを「戦利品」としたのである。

#マキャヴェッリにとっての政治の目的とは、ただ1つ、強固な支配権を打ち立てるということにしかないのだ。そこにおいては、その支配権の正当性、手段の倫理性などということはまったく問題にならない。どのような理由からであれ、ひとたび支配権を手に入れたなら、問題はその支配権をいかに強固にするかというアルテ、つまり方策、手段にしかないのだ。

 チェーザレ、マキャヴェッリ、ダ=ヴィンチ、そしてちょっとカテリーナ。もう一度大航海時代5をしたくなる。

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